何時からだろうか

 何時からだろうか、いくら睡眠を取っても俺の身体は疲れが残っていて、常に重たく感じられる。刺激された俺の脳に、以前篠塚が声を掛けてくれた時の事が頭に浮かんだ。あの時、なぜ俺は寝ていたのだろうか、その頃俺は仕事らしい仕事をしていなくて疲れが残っていた筈はない。

 それならば、何かの病気……かも知れないよな、こんな生活を続けていたら……いや、そんな事はない、俺の身体は頑丈に出来ている。簡単に壊れたり、病気したりするものか。それならば、今俺が感じている体の重さは誰かのたたり? いやそれも俺の気のせいだろう、そんな物がこの世に有るはずは無い。

 まぁ、そのうち暇を見つけて人間ドックにでも行く事にしよう。そう思うことで、自分の考えにけりをつける事にした。バスルームを出てから、バスタオルで体の水滴を拭きながら自分の下着を取りにいく。下着は奥の部屋の隅に置いてあるタンスの中だ。しかもその隣にはベッドが置いてある。考えればかなり狭い場所に置いてある事になる。

 確かにその場所だと使い勝っては良くないのだが、スペースが限られているのでしょうがない。そう思いながら奥の部屋に行くと、ベッドと押入れの間に積んである新聞が崩れていた。古い新聞や、何回も読んで古くなった漫画はそこに置く事にしていた。これでも俺は一般的な市民で、真面目に新聞などは紐で縛り、ゴミの日に出す為だ。

 その新聞が、寝る前に焼酎を飲む時に座る、ベッドの横の辺りを占領するようにして広がっていた。下着を身に着けて、その新聞を積み上げた。きれいに積み上げると三十センチも無いくらいの高さになった。我ながら真面目なものだ。その場を離れてキッチンに向かう。

 キッチンの流しには備え付けの鏡があり、その鏡の前に立った。電動の髭剃りを用意して、鏡に自分の姿を映しだす。鏡には、見慣れた、いい男の顔が映っている。と思っていたのだが、何故か疲れた顔付きの自分が鏡に映し出されていた。『俺も歳を取ったな』…疑惑の始まりに続く。

参考サイト→販売をカーテンで行う場合には…